となりの山田くん (3)

おとうさんの山田たかしは、会社では一番辛い中間管理職。
ノンキャリ・ウーマンに囲まれ、胃の痛くなるような毎日を送っている。
帰宅しても、妻の母と同居で、たまのゴルフや家族そろってのドライブ以外は、パチンコに行くかゴロ寝をしているといったテイタラク。
完全に粗大ゴミ扱いだ。
存在感を示そうと日曜大工にいそしむが……。
おかあさんのまつ子の一日は、朝、おとうさんに起こされて始まる。
きのうの残りを朝ごはんにしておとうさんと子供ふたりを送りだすと、とりあえず昼寝。
おばあさんと昼ごはんを食べ、なんのあてもなく買い物に。
また昼寝をして、夕ごはんの献立に頭を悩ませる。
夜は、昼寝でためたエネルギーをゲームにぶつける――これのくり返しの毎日。
山田家の長男のぼるは、第三中学校に通う、ごく平均的な――もとい、あまりに平均的な中学生だ。
成績はみごとにクラスでも、学年でもまん中。
クラブ活動は野球部に所属するが、弱小チームゆえ、グラウンドの練習スペースも満足に確保できない。
CDはしぶく奥田民夫、好きなタレントは菅野美穂。
はやく卒業したいけど、将来の希望は特にない。
一家の人気者、長女ののの子は、食いしん坊で声の大きな、第三小学校の三年生。
担任の藤原先生の下、久保くん、菊池くん、鈴木くんの三バカトリオや、みみちゃん、ななちゃんなどの仲よしたちと、楽しく大らかに暮らしている。
勉強は嫌いだが、体を動かすことは何でも得意だ。
何事にもめげることなく、のほほんと生きるののちゃんに声援を!まつ子の母山野しげは、元気いっぱいなおばあさんだ。
TVで、すもう、高校野球、サッカー、ボクシング、将棋の名人戦などを観戦するのが最大の趣味だ。
まつ子に代わって晩ごはんを作ることがあるが、ビーフ・ストロガノフに挑戦するなど、無謀な行動に出ることも。
いつまでも元気なおばあさんの姿は我々に勇気を与えてくれる。
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